第3回目チイクラフォーラム&全国ネット巡回フォーラム

IMG_5392IMG_1368IMG_2069毎年満席です。

今年で3回目となるチイクラフォーラム&全国ネット巡回フォーラムが開催されました。

このフォーラムは、精神障害者が地域の中で自分らしく生活できる持続可能な社会をつくるために、社会的課題の解決に向け、この分野において活躍する方々の講義を受け、日々の取り組みの情報共有を行う会です。

今回は「トリプル改正の先にある、私たちの目指す社会とは!」をテーマに、次世代を育て、バトンを繋いでいくという思いが込めれた「次世代が育つ!3本勝負」を裏テーマに2日間に渡りみっちり行われました。

衛藤議員は1日目の「良質な精神科医療の広がりと福祉支援施策の充実と」をテーマにパネリストの一人として登壇させて頂きました。

ここでは、精神障害者の地域移行における国の政策である地域移行施策や自立生活援助、地域生活支援拠点など、今後の展望について内山氏と衛藤がそれぞれ説明し、田島氏と江原氏からは現場の取り組みについて発表されました。

江原氏は、精神障害者の方々が地域移行できるように機能を強化した医療病棟と医療現場改善の取り組みについて話されました。

田島氏からは、精神科医、看護師、ソーシャルワーカー、就労支援専門家などが専門領域をまたいで利用者(精神障害者)を包括的に支えるACT(Assertive Community Treatment)の現状と課題について話され、それぞれの専門領域を超えて連携することの重要性と、今後はより専門的であると同時に質を求められるということを訴えられました。

また、野澤氏からは、ご自身が外部講師を務める東京大学の自主ゼミ「障害者のリアルに迫った東大ゼミ」に日本ALS協会の岡部会長を講師としてお招きした時の一人の学生とのエピソードを紹介されました。

”岡部さんは、2006年にALS(筋萎縮性側索硬化症)※を発症したため、体は動かず、わずかに動く目か口の動きを介助者に読み取ってもらい話をします。

初めは学生たちも、どう受け止めて良いか分からず戸惑っていましたが、ゼミが終わり懇親会に入ると次第に場の空気が変わり、最後の方には一人の学生が岡部氏へ質問しました

学生は、「私は東大に入ることが目標で、そのために一生懸命勉強したけれども、東大生になったら目標がなくなって、今、何のために生きているのかよく分からなくなりました。最初、岡部さんを見たときはびっくりしたけど、体が動かなくても海外旅行にも日帰りで国内旅行も行かれる、アイス・バケツ・チャレンジといって、氷水を頭からかぶったりする映像まで見せられたりしたら、どちらが幸せなのか分からなくなりました。そこで質問があります。もしも岡部さんの病気が今治り、自分たちのようになれたとします。ここにボタンがあって、このボタンを押したら今の自分に戻れるとしたら、あなたは押しますか。」とたずねると、岡部さんはすぐ目で反応し、それを介助者が通訳をし、「絶対に押します。」と言いました。「どうしてですか。」と学生がさらにたずねる、岡部さんはこう答えました。「体の動かない不幸よりも、心の動かない不幸が私には耐えられない」と――――。”

このエピソードを紹介され、最後に野澤氏は、これまで学生たちとともにたくさんの障害当事者とディベートを重ねる中で、彼らが元々抱いていた概念が崩れ、その価値観が徐々に変化していくのを間近で見てきたそうです。中には大手の内定を全て蹴り、福祉の世界へ飛び込んできた子もいたそうです。そして、そうした学生のみならず様々な分野の人間が福祉の世界を創造し、新しいアイデンティティーをつくっていくことの重要性について説かれました。

※ALS

筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、英語:Amyotrophic lateral sclerosis、略称:ALS)は、重篤な筋肉萎縮筋力低下をきたす神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種。極めて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡する(人工呼吸器の装着による延命は可能)。治癒のための有効な治療法は現在確立されていない。治療薬としては1999年から「リルゾール」がALS治療薬として日本では保険収載されている[1][2]2015年6月、急性脳梗塞などの治療薬として使われてきたエダラボン(商品名:ラジカット)が「筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」として効能・効果の承認をうけた[。(wikipediaより一部抜粋。URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/筋萎縮性側索硬化症

―良質な精神科医療の広がりと福祉支援施策の拡充と―

⬛︎パネリスト

野澤和弘 毎日新聞論説委員

江原良貴 一般財団法人江原積善会積善病院理事長

田島光浩 社会福祉法人南高愛燐会理事長

内山博之 厚生労働省障害福祉課長

衛藤晟一

⬛︎進行

廣江仁  社会福祉法人養和会理事長